※京都府自閉症協会きょうだい部(なかよし会)主催のセミナーですが、しろくま会のメンバーも運営に関わっていますので、許可を得て、こちらのブログで報告させて頂きます。
当日は大雪だったにもかかわらず、京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・石川・広島から、参加者(20~60代のきょうだい、親、支援者等)と登壇者・スタッフ、計39名が集まりました。
事前申込された方や前日の京都きょうだい会新年会で参加表明されていた方の中で欠席者が10名もおられましたし、当日参加も可能にしていましたので、天候が良ければもっとにぎわっていたかもしれません。
当日の流れは、このようになりました。
13:30~13:40 開会挨拶
13:40~14:45 成人きょうだい3名による体験談
ファシリテーター:松本理沙(同志社大学)
14:45~15:00 <休憩>
15:00~16:00 参加者同士でのグループディスカッション
16:00~16:20 グループごとの発表
16:20~16:30 なかよし会の活動紹介
なかよし会代表:田中一史(京都市児童福祉センター)
16:30~ 閉会挨拶・アンケート
成人きょうだい3名による体験談では、20代女性、30代女性、40代男性にご登壇いただき、1人あたり20分ほどお話いただきました。事前に、以下の内容に沿ってお話して下さいとお願いしていました。
【テーマ】「きょうだい」が何を思い、何に悩んで生きてきたのか。
1)子どもの頃から現在までの、きょうだいとしての体験を聴かせてください。
2)子どもの頃から現在までの間に、親や障害のある兄弟姉妹との関係にどのような変化がありましたか。
3)今のご自身の生活(住む場所や仕事など)に、障害のある兄弟姉妹から影響を受けた部分はありましたか。
4)親や周りの人たちから言われて嬉しかった言葉/嫌だった言葉を教えてください。
5)きょうだい会に参加したきっかけや動機、参加した時の感想を聴かせてください。
6)最後に、参加者の方に伝えたいことがあればお願いします。
5のきょうだい会に関しては、子どもの頃になかよし会に参加された方(大人のきょうだい会には参加していない)も、大人になってからきょうだい会に参加された方もいました。
グループディスカッションでは、1グループにつき5~6名の6グループに分かれてもらいました。司会進行は、なかよし会のスタッフが担当しました。
グループ分けの際は、きょうだい・親・支援者と様々な立場がなるべく混ざるように、そして個人的に把握している情報(家族構成や体験等)やメンバー同士の相性等も踏まえて、組み合わせを考えました。
たとえば、「同世代のきょうだいと話したい」というニーズを持っていた学生のきょうだいがいるグループに学生のきょうだいを組み合わせたり、双子のきょうだいが3名いたので、その3名を組み合わせたりしました。
ただ、組み合わせには限界もあり、全ての人のニーズに沿うことができたかは分かりません。
グループディスカッション後、各グループの司会進行者6名に依頼し、1名あたり3~4分で報告していただきました。
報告の中で、各グループで3名の体験談の感想が共有されたことに加え、以下のテーマがトピックとして挙がっていたことが分かりました。
◆きょうだいが障害のある兄弟姉妹を受け入れる、理解するとはどういうことか。
◆きょうだいが周りとの違いを感じた年齢はいつ頃か。
◆親ときょうだいの違いについて
(障害のある家族に対しての責任感や感情など)
(障害のある家族に対しての責任感や感情など)
◆親から子ども(きょうだい)に、どの段階で何を伝えていくべきか。
◆親の立場から、「将来、世話をしなくていいからね」と話してはいるが、それだけで大丈夫なのか。
(きょうだいに不安を持たせてはいけない、という親の思いから)
(きょうだいに不安を持たせてはいけない、という親の思いから)
◆きょうだいの立場から、「親から、障害についてもっと話して欲しかった」。
(一方で、他グループからは、学齢期の子どもを持つ親御さんからの「いつ話して欲しかった?」という質問に対し、「いつが良かったかと言われると・・・」と答えに戸惑った、という声も)
◆親なき後の金銭管理について
◆親や支援者は、きょうだいの気持ちにまでは入り込めない。
(でも寄り添うことが大切!)
(でも寄り添うことが大切!)
最後に、代表の田中一史先生から、なかよし会の活動紹介がありました。
なかよし会が「いい子からの解放」をコンセプトにしていることや、子どものきょうだい会から大人のきょうだい会に繋いでいく仕組みについて、共感の声が多くあがっていました(アンケートより)。
アンケートには、3名の登壇者への共感の声が多数書かれていました。
その一方で、きょうだいの多様性を感じたという声も多かったです。
また、きょうだい・親・支援者、様々な立場の人たち同士で意見交換できて良かったという声も多く頂きました。
●(3名の体験談について)周りから言われて傷ついたことばというのが、自分は「そう思う人もいるだろう」と受け入れていることばでした。きょうだいそれぞれ、同じだけどちがう。これは、障害の有無にかかわらず、だれしも全員にいえることなのかな、と感じました。一方で、やはり、きょうだい同士が話せる場は大切だと思いました。(20代女性・きょうだい)
●(グループディスカッションについて)私は障害のある弟のことをなかなか肯定的に受け止めることができていなかったので、障害のある兄弟のことは大好きだという方には少し驚いてしまいました。ただ、どちらが正解というわけではないと感じました。また、保護者の立場の方と初めてお話したので、自分の両親と照らし合わせながら聞くことができ新鮮でした。(20代女性・きょうだい)
●(3名の体験談について)自分とはぜんぜん違う価値観が聞けてよかった。(グループディスカッションについて)親視点の話などは、自分の親にはなかなか聞けないので聞けてよかったです。(20代男性・きょうだい)
●(グループディスカッションについて)きょうだいでも色々な生い立ちがあり、定説はないのだなと思った。家庭環境なのか、性格なのか…生き方に大きな影響を与えていることも印象的だった。(40代女性・親)
●(グループディスカッションについて)親御さんが、将来のこととか、すごく早い段階からいろいろ考えてらっしゃるのが印象的でした。また、親は、子どもが産まれてから少しずつ受け止めていくが、“きょうだい”は当たり前のところから、学校等へ行って何か違うと気付いてそこからいろいろ考え始めるというのを聞いて、思ってもみなかった視点で勉強になりました。(30代女性・保育士)
1月30日の京都新聞朝刊に、セミナーの報告を掲載していただきました。
京都新聞社会福祉事業団のホームページにも合わせて掲載して頂いています。
⇒ http://www.kyoto-np.co.jp/fukushi/topics/170130.html
【後編】に、親の立場の方2名の感想を掲載していますので、一緒にご覧頂けると嬉しいです^^
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